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相続税

​相続税とは?

​期限が10ヶ月以内

非課税財産って?

税額控除は6つ!

 1 相続税とは

相続税

相続税とは、死亡された方(被相続人)の財産(相続財産)を相続又は遺言により取得した方に課税される税金です。

 相続税は個人に対して課税される税金で、法人には課税されませんが、法人が取得した財産は法人税の対象になります。

お亡くなりになった方の相続財産(課税価格の合計額)が基礎控除額を超える場合に、
 
納付税額がある方は、
相続開始日の翌日から10カ月以内に、
相続税の申告書を被相続人の住所地の税務署へ提出しなければなりません。

​納付税額がゼロになる方であっても、
配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例などの適用を受ける方については、
申告義務があるため、相続税の申告書の提出が必要です。

​【用語の意義】

  1. 課税価格・・・各人の相続財産+相続時精算課税適用財産-相続時精算課税適用財産-債務及び葬式費用+3年以内贈与財産

  2. ​課税価格の合計額・・・各人の課税価格の合計

  3. 基礎控除額・・・3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 相続税の申告書に必要な主な添付書類は、以下の通りです。
 

相続税の申告書に必要な主な添付書類は、以下の通りです。

 ■添付書類

区分
添付書類
納税義務者共通
個人番号カード
納税義務者共通
遺言書及び遺産分割協議書のコピー
納税義務者共通
戸籍謄本もしくは法定相続情報一覧図
配偶者の税額軽減
分割協議の場合相続人全員の印鑑証明
小規模宅地等の特例
分割協議の場合相続人全員の印鑑証明
相続時精算課税適用者
被相続人の戸籍の附票
遺産が未分割の場合

申告期限までに、相続財産の分割協議が確定しない場合でも、法定相続分で分割したとみなして、一旦相続税を納付しなければなりません。
 
■申告期限までに申告書の提出がない場合は、
無申告加算税(税額の5%)
■納税することができない場合は、
延滞税がかかります。

 相続財産が未分割である場合、下記の特例が適用できないので注意が必要です。
 
■配偶者の税額軽減
■小規模宅地等の特例
■農地の納税猶予
■物 納

このうち、
■配偶者の税額軽減と
■小規模宅地等の特例については
「申告期限後3年以内の分割見込書」
​を期限内申告書に添付すれば適用できますが、

【参考】国税庁(3年以内の分割見込書)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/pdf/2327.pdf

注 意
■農地の納税猶予、■物納については、期限内申告でないと適用できないため注意が必要です。

【参考】国税庁:(問6)相続財産の協議分割が終わっていないのですが、このままの状態で物納は認められるのでしょうか。

相続税の期限後申告

相続税は、期限内に申告書を提出した後に
下記の理由により課税価格や税額に変更が生じ、
期限後申告や修正申告をした場合には特則規定を設けており、
加算税や延滞税が課せられません。

■加算税は自主修正により課税なし(国通法65条2項)
■延滞税は、法定申告期限の翌日から期限後申告や修正申告の提出の日まで課税なし(相続税法51条2項1号ハ)

【注 意】
 また、税額の変更に伴い​還付となる場合には、分割が確定した日の翌日から4カ月以内に更正の請求書を提出しなければ還付を受けることができません。

 更正の請求は通常5年まで遡ってすることができますが、
特則の事由に該当し、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用し、更正の請求する場合は、相続税法が優先的に適用されますので注意してください。

【特則の事由】

  1.  共同相続人によって未分割財産の分割が行われ、課税価格が変動したこと 

  2.  認知、推定相続人の廃除に関する裁判の確定、その他の事由により、相続人が異動したこと

  3.  遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと

  4.  遺贈に関する遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があったこと

  5.  条件付きで物納が許可された場合でその条件が成就されないために許可が取り消され、又は取り消されることとなるときにおいて、物納に充てた土地について、土壌が特定有害物質等により汚染されていること又は除去しなければ土地の通常の使用ができない廃棄物等が地下にあることが判明したこと

  6.  相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと

  7.  分割後の被認知者からの価額請求があったことにより弁済すべき額が確定したこと

  8.  条件付の遺贈について、条件が成就したこと​
     

 2 納税義務者

相続税の納税義務者

相続税の納税義務者は、
日本に住所があるかないかで納税義務者が区分されており、
それにより課税対象となる財産が
国内外の財産か国内のみの財産かに分けられます
(下記図参照 令和3年4月1日相続開始より適用)。

相続税の納税義務者は、相続、遺贈、死因贈与や相続時精算課税の適用により財産を取得した個人になります。

 また、被相続人や相続人の住所や財産が日本国内にあるか国外にあるかで課税の範囲が異なります。​
 

相続税の納税義務者

 ■納税義務者の区分による課税財産の範囲

区分
財産
債務
居住無制限納税義務者
国内外
国内外
非居住無制限納税義務者
国内外
国内外
居住制限納税義務者
国内のみ
取得した財産に係る債務
非居住無制限納税義務者
国内のみ
取得した財産に係る債務
特定納税義務者
相続時精算課税の適用を受けた財産
なし

 3 主な相続財産と債務

相続税の対象となる財産には大きく民法上の財産と相続税の対象となる保険、退職金や年金などのみなし相続財産の2つがあります。
 また、債務・葬儀費用を控除することができる者は、相続人及び包括受遺者に限るとされています(相法13)。
 
すなわち、特定受遺者や相続放棄者等については債務控除ができないこととなっています。

相続人及び包括受遺者のうち
■無制限納税義務者・・・すべての債務及び葬式費用  
■制限納税義務者・・・・取得した国内財産に係る債務のみ
控除可能となっています。



 
 相続税の対象となる財産と債務はどうのようなものがあるか下記で見ていきましょう。​
【参考】国税庁:No.4105 相続税がかかる財産
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4105.htm

【参考】国税庁:No.4126 相続財産から控除できる債務
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4126.htm
 

参考】国税庁:No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4129.htm
 

相続財産と債務

 4 非課税財産

相続税の非課税財産

相続税の対象とならない財産(非課税財産)とはどうのようなものがあるか下記で見ていきましょう。​

相続税は、公益性の高いもの、社会政策的見地や国民感情の面から相続税の対象とならない財産(非課税財産)を定めております。

 主な非課税財産は以下の通りです。

■仏壇・墓地

■生命保険金の非課税部分

(500万円×法定相続人の数)

■退職手当金の非課税部分

(500万円×法定相続人の数)

この場合の法定相続人の数は、次のことを考慮した数になります。

■相続放棄があった場合・・・放棄がなったものとする

■養子がいる場合の人数の制限

①実子がいる場合・・・・1人

②実子がいない場合・・・2人

 ※次の者は実子とみなす。

 □特別養子縁組による養子

 □配偶者実子で被相続人の養子となった者

 □配偶者の特別養子縁組により養子となった者で被相続人の養子となった者

​ □実子の代襲相続人

【参考】国税庁:No.4108 相続税がかからない財産

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm

 5 相続税の計算

相続税の計算

相続税は、下記の順序で求められます。
1⃣課税遺産総額 =各人の課税価格の合計額-基礎控除額​
2⃣各人の法定相続分に応じた取得金額 = 1⃣×法定相続分
3⃣各人の算出税額 =2⃣×税率-控除額
4⃣相続税の総額 =3⃣の合計額
5⃣各人の相続税額 = 4⃣×(各人の課税価格÷課税価格の合計額)

​【参考】国税庁:相続税の計算

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm

 【法定相続分で取得した場合の相続税の早見表】

 ■配偶者がいる場合

課税価格
子1人
子2人
子3人
4千万円

0万円

0万円

0万円

6千万円

90万円

60万円

30万円

8千万円

235万円

175万円

137万円

1億円

385万円

315万円

262万円

2億円

1,670万円

1,350万円

1,217万円

3億円

3,460万円

2,860万円

2,540万円

4億円

5,460万円

4,610万円

4,155万円

5億円

7,605万円

6,555万円

5,962万円

 ■配偶者がいない場合

課税価格
子1人
子2人
子3人
4千万円
40万円

0万円

0万円

6千万円

310万円

180万円

120万円

8千万円

680万円

470万円

330万円

1億円

1,220万円

770万円

630万円

2億円

4,860万円

3,340万円

2,460万円

3億円

9,180万円

6,920万円

5,460万円

4億円

14,000万円

10,920万円

8,980万円

5億円

19,000万円

15,210万円

12,980万円

 6 税額加算と税額控除

相続税の加算と税額控除

遺産を相続した方が、被相続人と関係が薄い方の場合には偶然性が高い、孫などの場合には相続税を1回免れるため、一定の取得者には、相続税の20%加算することとなっております(相法18)

【対象者】
■配偶者と一親等の血族(子、両親や養子)以外の者
具体的には、
・孫
・兄弟姉妹
・孫養子
(相続放棄をしない代襲相続人除く)
・教育資金の非課税の適用を受けた孫
(R3.4.1以降贈与分)
・結婚子育ての非課税の適用を受けた孫
(R3.4.1以降贈与分)
・他人
となります。

 算出税額 × 20%

相続税の税額控除は、7種類あります。

具体的には下記の控除があります。

 ■税額控除の種類と内容

種類
内容
贈与税額控除

生前贈与加算した財産に係る贈与税額の控除

配偶者の税額軽減

法定相続分もしくは1.6億円以下まで相続税がかからない

未成年者控除

●法定相続人に限定

●18歳未満

●10万円✖(18歳-未成年者の年齢)

障害者控除

●法定相続人

●80歳未満

●10万円✖(85歳-障害者の年齢)

●特別障害者は20万円

相次相続控除

●相続人に限定

●10年以内に被相続人が払った相続税の一定額の控除

外国税額控除

外国財産につき課税された外国相続税の控除

相続時精算課税適用の贈与税額控除

相続時精算課税適用財産に課税された贈与税額の控除

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